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性を高めることには異議は出ない。そのための費用を誰が支払うかが問題になる。会社の方針の違いがもう1つの論点であった。まず最初にコントラクターを呼んで我々の考えを議論させ、プログラムヘの参加を招聰し、最良の結果を得るために彼らの権限を分割することによって良い雰囲気を作り出した。信頼が大きな役目を果たした。委託された場合、コストは公平なべースで打ち合わされ、すべての部分で努力は分け合った。いくつかのDPコントラクターが結合することは利益を得るための特別の機会であった。
プロジェクト
海洋関連の人間を含む多くの分野の技術者によって構成された9つのプロジェクトが選定された。それらのプロジェクトは以下の通り。
1)事故データバンク
最初のDP装置が使われてからの事故が登録されているが、その登録は不完全なものではない。DPシステムに関する我々の経験は大変少なく、コントラクターは契約上、容易には問題点を示したがらない。登録には通常、坑井の報告が含まれていることが要求された調査を困難にし、手間の掛かるものとしている。標準の情報一式をカバーし、様式の中で履歴的に調整し、真の報告を作り、2度手間をかけずに簡単にデータを集められるデーターバンクを開発することがこのプロジェクトの職務である。操作手順を調整し、機器の性能を比較し、機器のグレードアップを決定し、訓練を推奨し、DP機器と含まれる危険性を手短に理解するために、船舶の事故とその原因に関する知識は非常に重要なものである。
2)DGPS
DPオペレーションの安全に関してライザー切り離しは最も重要な要素である。必ずしも時間がなくともまた例えばブラックアウト時のようにオペレーション上の柔軟性がなくとも、今行っている坑内の作業が危険な状態であろうとも切り離しをコントロール下で行うことは必要なことであり、挑戦でもある。従って、第一の明確な目標は、できるだけ切り離しの機会を避けることであった。位置保持システムの故障がその主原因であった。非常切り離しの原因を図1に示す。DP装置は通常、3種類の測位システムを持っている。すなわち、主システムと考えられる音響(LBL,SBLまたはSSBL)、大水深には適さないがトートワイヤー、位置保持には適さないがライザーと坑井との接続をチェックするのに適するライザー傾角。人工衛星測位システムのテストを見ながら、コントラクターとの議論が持たれた。短い時間ではあるが人工衛星が影に入り、信号が途絶えることが起こりうるが、DGPS技術は適用可能と評価された。リグ毎に異なる船体の位置保持システムのインターフェースに対する疑問が述べられた。契約は既に結ばれていたためペトロブラスとコントラクターの間でシステムのコストを折半することで取り引きされた。もしその技術の価値が証明されれば両方に利益があり、その結果何が起こるか良く理解されていた。結果として、すべての新しい契約にはDGPSが必須の測位システムとして含まれることになった。
3)天気情報と避難路
オペレーションを指揮する上では信頼できる天気予報が重要になる。船型のリグでは主要外力の方向(通常は風)に船首を向ける必要性があるという点から天気予報がより重要になる。利用可能な天気予報は海軍により毎日供給されている。それらは24時間先の信頼できるデータを含んでいるだけである。天気情報供給金杜とコンタクトした。彼らのデータは数学モデルと、数カ月に及ぶ人工衛星の情報が基になっており、実際との比較によってより正確なものとしている。現状ではリグは4日先の推定までを含んだ予報を毎日受け取っている。これらは移動を決定するための情報やオペレーション上のリスク予測を有する。天気予報の他に、近くにあるすべての船舶や海底設置構造物と好ましい避難路を示した地図を各DPリグに対して発行する。何隻かの掘削リグ、生産ユニット、パイプ敷設船、サポート船がオペレーション現場で稼働すると海底においてもパイプライン、坑井、クリスマスツ

 

 

 

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